ついにでた。今日は『ミスト』や。

公開時から興味あったし、浜乙女さまに本年度最高と言わしめたコレ、スルーするなんて無理無理無理。下準備は失敗に終わったが(http://28093.diarynote.jp/200807051045260000/)、新作料金で借りるという俺ルールを破る価値も疑わなかった。つーかそれやったら劇場行けよっちゅー話なんやけど。

ただトーマス・ジェーンつーのが失敗した下準備を、「あなたは観た後に誰を想い、何を思うか」つー挑発的コピーが「ノーカントリー」を思い起こさせるという一抹の不安もあったが。

7月19日の夜、メイン州西部の全域が、未曾有の激しい雷雨にみまわれた。嵐に脅える住民たち。夜が明け、デイヴィッドとビリーの父子は嵐で車を失った隣人を乗せスーパー・マーケットまで食料を買出しに行くが、霧が濃くなってきたので家路を急ごうとすると、負傷した老人が逃げ込んできて「霧の中に何かがいる」と告げる。瞬く間にスーパー・マーケットは“霧”に包まれ、買い物客たちは閉じ込められてしまう。外に出ようとすると、次々に霧の中の何者かに襲われ・・・
“霧”の正体とは? 人間は見たことのない恐怖の前にどのような選択をするのか。そして奇怪な霧に閉じ込められた人々の運命は?
(密林掲載の粗筋をかなり添削)

撮影技術どうこうの詳しいことはわからないけど、手ぶれなんか使わなくても臨場感は出せるってこと。まず「入り込めるか」の演出面ハードルを楽々クリアしてる。ココがデカい。ココで評価が真逆になるだろうから。
モンスターパニック的テイストはこの状況を造り出すための理由でしかなく、ここから地球の縮図よろしく舞台チックな人間劇がはじまるワケですが、もうツッコミどころを探す気にもならなかったぐらい入った。

ネタバレ注意↓

しかし観終わった直後は無星だった。楽しめなかったから。それどころか苦痛・不快の連続で、心の深層までエグられてる気分でしんどい作品なうえ、ラストがあまりにも・・・
しかし観終わって少し経つと、自分が劇中で何人かを見殺しにし、何人かを疎ましく思い、何人かに殺意を覚え、何人かを見下し、何人かをあざ笑い、絶望と諦めを受け入れてた事を認識する。「人間二人を同じ部屋に入れりゃ、結局最後は殺しあう」という台詞が刺さる。できれば見たくない自分の負の部分をこんなに引っ張り出されて揺さぶられるとは。
心を打たれ涙するような「感動」に匹敵する、まったく別の感情を抱いた。どうしてもチープな表現になる自分が哀しいが、説教されて開眼した。って感じ。そんな作品なかなか無い。よって傑作の☆☆☆☆判定。
 
 

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