『幻夜』読了。

本作は、明言されてないながらも白夜行の続編的位置付け。らしいですが、もちろん別個の作品として楽しめます。

キッカケは阪神淡路大震災。もうコレ俺を引き込ませるのに十分な。そこから白夜行的な話が白夜行的に展開されます。今回の主人公は美冬&雅也、白夜行での笹垣よろしく加藤という刑事も出てきます。

ひたすら自分の欲望を満たす快楽に溺れ、そのためだけに他人を利用する美冬、彼女に対する多くの読者が感じるところを雅也に代弁させたり、美冬の心情描写がほとんど無いのが、すごく東野テイスト。両者を哀れに見せるのに効果的だったと思う。そんでココ!っちゅうところで白夜行とのつながりをほのめかすような単語が出てきて、読者の邪推を誘うというような番外的な楽しみ方も用意してくれてます。ぐいぐい読めます。しかし・・・

んー、良く出来てる。というのが一番の感想、面白いかそうでないかと言えば、正直ビミョ−です笑。

延々モンスターの薄ら寒い悪事を見せられた上、クライマックスの舞台は完璧に整いながらもあっけなさすぎのラスト、なおかつ後味が悪いときたもんだから。。しかし、これを白夜行三部作の第二部だとすると、納得しきりという。それは、伏線はきっちり回収するという几帳面な理系作家らしい東野作品にあって、最後のピースが埋まってないんですな。これまた明言はされてないが、もし続編(構想は不完全ながらあるらしい)が読めるとなると、これは三部合わせてすげえ叙事詩になるぞ。でも続きがなけりゃズッコケ作、俺的にはそんな作品でした。

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