読書の秋も終わりかけてますが、『赤い指』東野圭吾 読了。
ハードカバーの装丁グッドです。読んだのは文庫ですが。しかし久し振りの小説。ガリレオ原作がなんとなく合わなかった(ドラマと映画は良かった)俺だが、加賀シリーズにも手をだしてしまった。気になってはいるもののスルーしてたんだけど。無難にちょっと短かめのコレを(笑)しかもシリーズ本流ではなくスピンオフっぽかったっす。
しかし・・・最後は涙を堪えつつ(電車なので)読むことになるとは・・・
読者のライフステージによって感想はかなり左右されると思うけど、たぶんドンピシャじゃない俺的にも結構キたなあ。殺人事件を中心に置いてますが、ハウダニット・フーダニットでも、推理ものですらなく、テーマは「家族」です。けっこう先が読める展開なんだけど、舞台となる前原家の家長である昭夫の、ギリギリな状況の心理描写がたまらん。妻の八重子とともに終始腹立たしい。と、同時に身につまされたり。「こんなん二時間ドラマじゃん」て言うてみたらそれまでのライトノベル、でもバンバン情景が活字から出てくる作品だな、と・・・つか俺ぜんぜん読書家じゃねっスけどね(汁)
ともかく面白くて一気に読んでしもた。レイクサイド・マーダーケースやXの献身にも通ずる東野作品のニュアンスを感じた。このような、いわばホワイダニット的?なのが俺のストライクゾーンなのか、ラストの加賀親子のエピソードもなかなかにイイ余韻を残してくれたし、大満足っす。なワケで今また加賀シリーズ読んでます。