コレだ。『容疑者Xの献身』だ。予想はしてたが俺のドラマ脳を砕いてくれたなコイツめ。
まったくの別物やんコレ。なんつーてもテレビドラマ(http://28093.diarynote.jp/200902071909569759/)で面白がってた、心理学的アプローチからの物理学を駆使し鮮やかに謎を解き明かすスタイルは全く無いし、ドラマ版のレギュラーメンバー総ワキだから。福山柴咲すらアヤしいから。むしろ堤氏の映画だからコレ。あんなんとガチでやれねーよ福山。
しかし彼の演技も頭打ち感を露呈しつつ危なげだったが、キモかと思われる友情や愛という不確かなものに翻弄されたり葛藤させられたりといった表現どころでの及第点はクリアしているだろう。ナイスファイトだ。もしくはテレビキャラ出しを抑えた演出の勝利か。視覚的には湯川ナメの去って行く石神とか2DKの中での部屋から部屋への移動を映しただけの画とか長回し増量とかってだけで随分と映画的になってるのも勉強になるね。
そう、結局どうなんだっつーと、かなり面白かったゾーンなんだわ。
救いが無いことがわかりきってるところに、ラスト近くからの松雪氏(ええオンナやなあ)と(特に)堤氏のアレは反則もんの演技だろう。あんたらにもらい泣きだよチクショーめカタルシス。それまでは、まったく感情移入ができない石神キャラにしても、動機付けにしても、トリック明かしにしても、湯川がただ一人天才と認める石神にしてはチープすぎなんじゃね?と不満タラタラ気分だったワケだから。ま、ソレまでもが湯川をも操った石神の、数学的出題セオリーを用いた自虐的シナリオだったワケだがな。
いやあ、まんまとやられてもうたわ。